淡味行路 小説、映画、アニメ等の感想覚書。偶に日記。

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2014’7月 小説
[No.1162] 2014-08-06 Wed 22:54
手堅いトコばかり読んだとはいえ、今月は全部読んで良かった。楽しめた。


『鏡の花』 道尾秀介
製鏡所の娘が願う亡き人との再会。少年が抱える切ない空想。姉弟の哀しみを知る月の兎。曼珠沙華が語る夫の過去。少女が見る奇妙なサソリの夢。老夫婦に届いた絵葉書の謎。
ほんの小さな行為で、世界は変わってしまった。それでも―。

昔テレビでやってた、世にも奇妙な物語?だったかを少し連想した。
ほんの小さな行為で何かが欠け、それが欠けなければ他の何かが欠け…といった様相が不条理を感じさせ、読み進める程に読者は「何の欠けもない完全な世界」を期待するに違いない。だからえらく評価が分かれるんじゃなかろうか、とこれ以上はネタバレになるかな。
私は好きです。
本を閉じて、日常へ戻って家族の顔を見た時、うん、これも1つの奇跡だ、頑張ろう、って思えた。
光差す方へ背中を押してくれる最終章だと思います。


『別冊 図書館戦争Ⅰ』
『別冊 図書館戦争Ⅱ』
 有川浩
シリーズ番外編。

え、まだ読んでなかったの!?
てツッコミを受ける覚悟は出来ております。はい、そうです、読んでなかったです。
てかぶっちゃけ忘れてた。完っ全に忘れてた。
図書館で見かけて思わず「あ」って声出しちゃった。
出た頃にラブコメ読む気分じゃなかったんだ、たぶん。
でも今なら全然オッケー!てことで読んだけど、久しぶりだったし想定以上のラブコメでギャー!ってベッドでジタバタした。
何だこいつら可愛いなちっくしょう!爆ぜろ!ていうのは勿論主人公カップル。
本編でまとまりきらんかった分柴崎の方は応援気分というか、…Ⅱの展開マジでヒデェな。最後書き足すよう促した旦那様グッジョブだと思います。
幸せになれよーう!って、本の中の登場人物に思えるんだから、良い作品よね、本当。


『誰も知らないわたしたちのこと』  シモーナ・スパラコ (訳:泉典子)
不妊の末に授かった息子には、出生前診断によって重大な疾患が発見された―選べるはずのないことを選ばされ、孤立感と絶望のあいだを揺れ動く35歳のフリーランス・ジャーナリスト、ルーチェの魂の彷徨。
ローマ賞受賞。イタリア最高の文学賞・ストレーガ賞最終候補作。

これ、ちょっと、凄いです。
おススメしたい。
解説に書かれているけれど、この視点の小説って存在、希少なのではないだろうか。少なくとも私は今まで読んだことがなかった。
イタリアと日本と、法律の違いや宗教の違いがあるから、そういう部分での共感は少ししずらいかもしれない、でもそんなんどうでも良い、と言い切れるだけのパワーがあるし、考えさせられる。
話の間にフォーラムに書き込まれた文章等の引用があるのも効果的で良いと思う。一部抜粋する。
「あなたたちは中絶に反対なのですね? そうですか、それはわかりました。でもあなたたちには、他人の痛みを少しでも配慮する気がありますか?(略)あなたたちは病気の胎児は殺さなかったかもしれないけれど、言葉の暴力で毎日わたしたちを殺しているのです」


『ツバメ記念日―季節風 春』 重松清
わたし、お母さんのおひなさま、捨てたくない…。
記憶に刻まれた"春"は、何度でも人生をあたためる。憧れ、旅立ち、別れ、幼い日の母の面影──温かい涙あふれる12の春の物語。

春は過ぎたが、来年の春また忘れるかもしれないし読んだ。次は夏。
12編、短いのに感動させてくれるし泣かせてくれる。
でも、ほんのりとした温かみを残してスッと消えてくれるから、後を引かない。
…。
読み終えてから書くまでに時間あいちゃって詳細が書けない言い訳じゃないですよ、ホントです←


『贖罪』 湊かなえ 
15年前、静かな田舎町でひとりの女児が殺害された。直前まで一緒に遊んでいた四人の女の子は、犯人と思われる男と言葉を交わしていたものの、なぜか顔が思い出せず、事件は迷宮入りとなる。
娘を喪った母親は彼女たちを呼び出し言った―あなたたちを絶対に許さない。

それぞれが一方的に「語る」という書き方が同じだから、『告白』と比較されるのは仕方がないと思う。
それに倣って比較で感想を言うならば、『告白』の方が面白いけれど、『告白』よりも私は好きだ。
特に、とある行為の是非に加え、被害者と加害者、というポジションを印象付けてからの麻子の語りが凄く良いと思う。
単純に、なんっだこの女…!と読者を怒らせきらせて終わらせない、煮え切らせない部分の作り方が曖昧で不愉快で好みです。
どいつもこいつも自分ルール自分正義で生きている、という当たり前のことを極端に暴走させて、読後感ぐるぐる考えさせるのが著者の作品の魅力だと思うので、多少の鮮やかさ明快さは犠牲にしてももっとやれと個人的には…いや、それじゃ売れないか。


『ポースケ』 津村記久子
芥川賞受賞作『ポトスライムの舟』から5年後の物語。
奈良のカフェ「ハタナカ」でゆるやかに交差する、さまざまな女の人たちの日常と小さな出来事。

『ポトスライムの舟』を読んでなくても読めます。
毎度お馴染み、だいたい30代の働く女性向。
極々普通の一喜一憂する日常の中、温かく柔らかく、あるいは全く不意にするりと、小さな小さな悩みや拘りが溶ける。
そんなこともあるかと思えて、それで良いのだと思える。
救われると言ったら大げさかもしれないけれど、日常に対するやる気が出ます。
先生の作品大好き。
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