淡味行路 小説、映画、アニメ等の感想覚書。偶に日記。

2014’1 小説メモ
[No.1131] 2014-02-03 Mon 02:19
2014’1 小説メモ


・「Love Letter」 ☆☆☆
1「ありがとう」 石井衣良
2「空」 島村洋子
3「ラブレターなんてもらわない人生」 川端裕人
4「再会」 森福都
5「ミルフイユ」 前川麻子
6「音のない海」 山崎マキコ
7「水槽の魚」 中上紀
8「虫歯の薬みたいなもの」 井上荒野
9「竜が舞うとき」 桐生典子
10「永遠に完成しない二通の手紙」 三浦しをん
11「きまじめユストフ」 いしいしんじ
‘ラブレター’にまつわる恋愛小説アンソロジー。

今年は恋でもするかね、と思って読んだ。ホントダヨ?
短く文体優しい話ばかりなので、ちょっとした合間に読むのに良い感じ。
好きだったのは3、強いインパクトはないのに不思議と残る。
と10、ですよねー!しをん先生だから絶対そういうことだと思ったー!
と11、主題恋愛じゃないんだけど、余韻が良くて、ラスト収録なことに納得。優しくていじましくてとても素敵。
いしいじんじさん、たぶん今まで読んだことがないから本探して読んでみる。


・「リリエンタールの末裔」 上田早夕里 ☆☆☆☆
1「リリエンタールの末裔」…「華竜の宮」の世界の片隅で夢を叶えようとした少年の信念と勇気。
2「マグネフィオ」…人の心の動きを装置で可視化する。
3「ナイト・ブルーの記録」…海洋無人探査機にまつわる逸話。
4「幻のクロノメーター」…18世紀ロンドンにて航海用時計の開発に挑むジョン・ハリソンの周囲に起きた不思議。
SF短中編集。

1、高揚感!が、たっまらない!興奮で、寝っころがって読めなかった。
何でこれ短編なんだろう。続きが読みたい…て、そっか「華竜の宮」の続編は出たんだっけ、そっち読むか。
3、ありそう。起こりそう。そして、本当になったならばやはり病気と呼ばれるのだろうけど、その感覚を私も知りたい。それだけ彼の語る言葉が、描写が魅力的だった。
4、時計の歯車ってモチーフが大好きな私にはクリティカルヒット。中の機構をガチでリアルに見たい…!


・「ノエル:a story of stories」 道尾秀介 ☆☆☆☆☆
暴力を躱すために、絵本作りを始めた中学生の男女。
妹の誕生で不安に陥り、絵本に救いをもとめる少女。
最愛の妻を喪い、生き甲斐を見失った老境の元教師。
切ない人生を繋ぐ奇跡のチェーン・ストーリー。

好き。大好き。泣き過ぎて途中ちょっと頭痛した。
そうだ、‘想像というものの正しい使い方’って、そうだった。
私は最近、間違った使い方ばかりしていた気がする。恥ずかしい。
疲れてても忙しくてもイライラしていても、いやそういう時こそ、正しく使うようにしたい。
良い本を読んだ。
童話が読めない人でもなければ、オススメ出来ると思う。
ひらがなの多いファンタジーな文章が苦手な人だと、絵本の部分で力尽きるかもしれないから。
でもその絵本の部分が話にしっかり必要で、そしてとても素敵なんです。
余裕がない時、自分を嫌いになりそうな時、思い出したい。きっと力になってくれる。


・「29歳」 ☆☆
1「私の人生は56億7000万年」 山崎ナオコーラ
2「ハワイへ行きたい」 柴崎友香
3「絵葉書」 中上紀
4「ひばな。はなび。」 野中柊
5「雪の夜のビターココア」 宇佐美游
6「クーデター、やってみないか?」 栗田有起
7「パキラのコップ」 柳美里
8「憧憬☆カトマンズ」 宮本あや子
29歳独身女性8人による'等身大'の物語。

惜しい。1年と云わずとも1ヶ月前に本の存在に気づけばコンセプトのジャスト年齢で読めたのに、勿体ないことをした。
といっても、全体的に等身大≒無難なのかなぁ、て考えるような、いそうではあるもののぼんやりな印象の人物が多く、且つ読後感微妙な好みでない話が多かったもんで、いまいち楽しめはしなかった。
共感し易いようにわざとディティール浅めにしてるとか?ないか。短編だから書きこめないか、そういうスタイルなんだろな。
例外が8。確かな描写で、主人公の生活や考えを想像できた。
宮本あや子さん、他のも探して読んでみる。


・「プラネタリウムのふたご」 いしいしんじ ☆☆☆
だまされる才覚がひとにないと、この世はかさっかさの世界になってしまう。
星の見えない村のプラネタリウムで拾われ、彗星にちなんで名付けられたふたご。ひとりは手品師に、ひとりは星の語り部になった。

薄暗い世界で、小さな光がキラキラしてる。
私にはマッチ売りの少女が連想された、どこか絵本めいた世界観。
スルメ系ってこういう作品のことを言うのかな?哀しさや優しさが、読んで直ぐでなく後追いでじんわり沁みてくる。
だます、だまされる、ということへの見かたが変わるかもしれない、優しい作品です。
でも勢いのある文章や爽快感が欲しい時には向かない。それが魅力なのだけど、淡々と穏やかに語られる無き男のプラネタリウム解説が何度かあるのと、文章が意図的にテンポ落としてあるんじゃないかな、前半はたぶん絶対一気読みは出来ない。だから夜に少しずつだとか、時間のある休日の読書に良いんじゃないかなぁ。
…私はちゃんと、だまされる才覚を持っているかしら。


・「トネイロ会の非殺人事件」 小川一水 ☆☆☆☆
1「星風よ、淀みに吹け」…月面基地に派遣されるための訓練に、
2「くばり神の紀」…少なからぬ遺産の分配を得ようと、
3「トネイロ会の非殺人事件」…憎むべき脅迫者への復讐を遂げるべく、
私たちは、集まりました。何が起こるのか、予測もできないままに。

小説面白いのに加え、収録順も巧い。編集さん(でいいのかな?)グッジョブ。
1、小川先生が現代物!?ミステリ!?なんて驚き恐る恐る読み始めるも、SFで馴染みのある舞台で、人物もストーリーも先生らしいし、変わらず倫理観ブレないし、ホッと安心。面白いしこれはこれで有りだなぁ。
2、なんて思ったらSF要素多めな作品きたー!そっかこういう使い方すると現代ものになるのか。
3、爽っ快!て思っちゃ駄目なんだろうに思っちゃった!て、あっ、小川先生の作品だった!うっそ途中から忘れてた!えぇえええ凄い!先生凄い!ミステリだけど心理的な方で読ませるのか、面白い!
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