淡味行路 小説、映画、アニメ等の感想覚書。偶に日記。

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2011’7月小説メモ①
[No.1010] 2011-07-12 Tue 18:56
■ 2011’7 小説メモ ① ■


・「沖で待つ」 絲山秋子 ☆4.5
1、失業中、義理で見合いをすることになる「勤労感謝の日」
2、死んだ同僚のとの約束を果たす「沖で待つ」(第134回芥川賞)

帯に‘全ての働く人へ'て書いてあるんだけど、本当にその通り。
働いてる人ならきっと胸にクるものがあると思う。
あえてちょっと絞ってみるなら、1は総合職経験したことのある女性だと尚良く、2は正社員で‘同期’という存在がいて、最低でも2年は勤め続けたことがある人、であればきっと、絶対。
1の過去エピソードは、私もやるかもしれない。そしてやったなら後悔しないだろう。

絲山先生の作品はこれで3冊目だけど、もう何てーか、諦めた。今年中に著書全部読むよ。
自惚れでも勘違いでも、もう何でもいい。たぶん先生の考え方や倫理感が近いんだ。


・「ベルカ、吠えないのか?」 古川日出男 ☆3.5
四頭のイヌから始まる、「戦争の世紀」。
帯に‘これまで読んだことのないタイプのケタはずれの作品’て書いてあって、これも本当にその通り。
新鮮な上に凄いパワーで、興奮で鳥肌たつは、思わず叫んじゃうは、けど、ただ何てーかちょっと、長過ぎたかな、と。
文章が最初から最後まで全力疾走で、息切れしてしまった。
何だこれ×3!?て驚愕が落ち着く前に終わらせちゃえば勝ちだったのになぁ、なんて。
それかもちっと抑揚つけて休憩させてもらえたら、とかいうと贅沢かしら。
当然ですが、犬嫌いな人にはオススメしません。


・「ポトスライムの舟」 津村記久子 ☆5
1、「ポトスライムの舟」(第140回芥川賞)…ある日、自分の年収が世界1周旅行の費用とほぼ同額と気づき…
2、「十二月の窓辺」…モラルハラスメントとは※

この暑さ&湿気の中で読んでるってのに、ラスト爽やかな風が吹いた。
勿論錯覚だけど、どちらもそのくらい読後感が良い。
1は派遣か、正社員でも事務系なんかの女性だと尚良いかな。
2はもう、※としか書けない、凄く解り易くモラルハラスメントの苦しみと開放の兆しが描かれているので、男女関係なく、モラルハラスメントの酷い職場や家で働く人へ全力でオススメしたい。
つまり私は両方ストライク。
なのにうっかり会社の昼休みに2を読み始めて嫌な箇所で時間切れになったもんで、心臓ギリギリ締めつけられ削られるように痛んで泣きそうになった。
久しぶりに、殺意(とまではいかないか、死んで欲しい感?)を全肯定する方向で共感してしまった。
2は最後まで読む時間がある時に読み始めることを推奨します。解る人は本当、途中苦しいよ。
あ、これから就職の学生や、就業経験のない人は読まない方が良いかもです;
それと、エンターテイメント性重視な人には全く向かないです。
アマゾンのレビュー評価が妙に低いのが不思議で一通り読んでみたんだけど、どんなに美味しい茶碗蒸しだって、プリンのつもりで口に含んだら不味く感じるよそりゃ、とか思った訳で。


・「窓」 乃南アサ ☆4
「鍵」の続編、聴覚障害を持つ高校3年生が主人公の青春ミステリー。

あーちくしょうやっちまった!「鍵」読んでないのに読んじゃった!
だっから解り難いんだよ先生のシリーズは!ちゃんと調べない私が悪い?知ってる!
でも前作読んでなくても問題なく楽しめます。
先生の本は大抵そうだけど、登場人物の造形がしっくり自然で、読後感が優しくて安心。
犯人も、あーいるねー、そんで、うっぜぇええええ!って納得。
主人公の今後を、素直に応援したい気持ちになった。
さーてどうしよう、また順番入れ替わっちゃったけど「鍵」読むべきか?


・「雪沼とその周辺」 堀江敏幸 ☆4.5
雪沼連作全七編。
1、「スタンス・ドット」(川端康成文学賞)…ボーリング場
2、「イラクサの庭」…レストラン兼お料理教室
3、「河岸段丘」…工場
4、「送り火」…書道教室
5、「レンガを積む」…レコード店
6、「ピラニア」…中華料理屋
7、「暖斜面」…消火器メーカー

繊細!凄い繊細な描写!何なの、そんな書き分けってアリなの!?
それぞれの話の書き分けもだけど、「熊の敷物」のあの酔わせるような文章はドコへ!?
否これはこれで凄く!好きだからいんだけど……えぇええええ!?
小説だってのに、音や匂いの使い方がとても巧くて、思わず耳を澄ませたり深呼吸したりと、読書中あまり使わない筈の身体機能を意識させられたのも面白かった。
個人的に現時点では5>6>1>7>3>4て順番で好き。
7の仕事の範囲がちょいリアル職と被ってて、‘ABCから連想’てくだりの先が読めてニヤッと出来たのが地味に嬉しかったり。
1の緊張感や、5のぃよっしゃぁあああ!て達成感に可愛らしさ、堪らない!凄い!
10年…20年か、経ってからの方がもっと感動するに違いないし好きな順番もきっと入れ替わるから、絶対にまた読みたい。てか読む。
あーいいもん読んだ!


・「昨晩お会いしましょう」 田口ランディ ☆3.5
1「昨晩お会いしましょう」、2「深く冷たい夜」、3「堕天使」、4「満月」、5「ウタキ夜話」

恋愛短編集、てカテゴリだったのだけど、これって恋愛小説なのかな?
3と5はわかるけど、他は自分を見つめる話だと思うんだよなぁ。
自分を見つめて、欠けてるもの足りないもの欲しいものに悩んで、その答えが人だったり人との行為から得るものだったりした場合にそれを恋愛て呼……ぶかー呼ぶなーうーん、じゃいいや。
恋愛≒自己愛の主人公がばかり集まってるから括りに首捻りたくなるだけだろう。
1はちょい好きだったった。5はもう題見ても内容思いだせない(※読んだ翌日書いてます)。


・「木漏れ日に泳ぐ魚」 恩田陸 ☆3
一組の男女が向かい合う最後の夜。恋愛(?)主軸のミステリ。

恩田先生、高校時代好きでよく読んだんだけどなぁ。
この作品が合わないだけなのか、もう感覚がズレちゃってるのか、何だか疲れてしまった。
ミステリの要素はそこそこ楽しめたんだけど、主役二人の関係性の方ががいまいちぐだぐだ緊張感なくて微妙で。
私が勝手にミステリ要素ばっかり期待して読み始めちゃった上に恋愛系続けちゃったっていうマイナス要素差し引いても…うーん。
次はがっつりミステリの本探して読もう。
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